服部孝彦所長の友人の赤阪清隆氏(元国連日本政府代表部大使)が先日、新潟教育会の夏季講座で教員を対象に、「こうすればグローバル人材が育つ」と題して講演を行いました。その際使ったパワーポイントをご本人の許可をえて掲載します。今回は日本語による講演のため、パワーポイントも日本語ですが、グローバル人材育成に関して、最近の新しいデータも含まれているので、本学の学生や教職員にとっても、なかなか良い勉強になると考えております。
内閣府の世論調査によると、日本の若者は、欧米諸国及び韓国に比して、相当内向き志向になっています。外国で働くことに関心がない若者が6割(スライド18)、海外留学希望者は、韓国が7割なのに比し、日本は3割(スライド21)です。その主原因は、個人の意識だけでなく、社会環境(例えば留学後の雇用の心配)にもあると思われます。より深刻と思われるのは、40歳になったときにどのようななっていると思うかへの回答です(スライド41)。自由にのんびり暮らしているとか、子育て、親の世話、幸福などを挙げる若者が多いです。世界で活躍していると思う若者は、米英スエーデンでは5割以上、韓国も4割近くいるのに対し、日本はわずか14%です(スライド42)。グローバル人材を目指す日本の若者がそれほど少ないということです。現在の日本の若者は、新聞を全くと言っていいほど読まず、世界のニュースは、テレビ、ニュースサイト、ライン、ツイッターで知るもようです(スライド27,28)。強い地元指向、内向的、低い上昇志向が、「マイルドヤンキー」と称される日本の若者の特徴のようです(スライド17)。このような若者を、日本の将来を背負ってグローバルに活躍してもらうようにするにはどうしたらよいのか、特に学校の先生方にとっては本当に頭の痛い難問です。最近の日本では、両親が孤独を恐れてか、あるいは甘やかせてのことか、子の自立、独立や未知への挑戦の足を引っ張っている面が相当ある気がしてなりません。ことは日本の将来を左右する現在の大問題です。
こうすればグローバル人材が育つ